大理石のテーブルに置かれた絵画作品|poppy questの絵画の買い方ガイド

「作品が売れない…」と思ったら見直したい3つのこと

大理石のテーブルに置かれた絵画作品|poppy questの絵画の買い方ガイド

展示会に足を運んでくれる人はいる。SNSの「いいね」も、それなりについている。なのに、なぜか作品が売れない。問い合わせも、思ったほど来ない。

そんなとき、つい心のどこかで「私の作品が、まだ足りないのかもしれない」「もっと技術を磨かないと」と、自分を責めてしまってはいないでしょうか。個展の準備をしながら、ふと手を止めて、そんな不安がよぎった経験のある作り手は、決して少なくありません。

けれど、少し立ち止まって考えてみてほしいのです。作品が悪いから売れないわけではない、かもしれません。丁寧に、想いを込めてつくられた作品には、ちゃんとそれを必要としている人がいます。ただ、その人のもとに、まだ届いていないだけ、ということは意外と多いものです。

この記事では、「売れない」と感じたときに見直したい3つのことを、同じものづくりをする仲間として、できるだけ具体的にお伝えしていきます。マーケティングという言葉に苦手意識がある方にも、難しい専門用語を使わずにお話しできればと思います。

「頑張っているのに」の裏にある、3つの思い込み

「発信もしているし、展示会にも出ている。それでも結果が出ないのは、やっぱり作品の力が足りないから」。そんなふうに考えてしまう背景には、いくつかの思い込みが隠れていることがあります。

  • 頑張って発信していれば、いつか誰かが見つけてくれるはず
  • 作品が良ければ、値段の説明などしなくても伝わるはず
  • マーケティングは、器用な人や、押しの強い人がやるもの

どれも、決して間違った考え方ではありません。ただ、そこに少しだけ視点を足してみると、景色が変わることがあります。「発信量」より「発信の先にいる人」を思い浮かべること。「良い作品だから伝わるはず」ではなく「良い作品だからこそ、ちゃんと言葉を添えたい」と考えてみること。この記事は、その視点の足し方についてのお話でもあります。

作品ではなく、「伝わり方」を見直してみる✨️

作品そのものの完成度と、それが「売れるかどうか」は、実はそれほど直結していません。むしろ、多くの場合ボトルネックになっているのは、作品と、それを求めている人とのあいだにある「伝わり方」の部分です。

見直したいポイントは、大きく分けて3つあります。①見せ方、②届け方、③伝え方・価格の伝え方です。ひとつずつ、順番に見ていきましょう。

見直したいこと① 見せ方

作品を誰かに知ってもらうとき、多くの場合、最初に出会うのは作品の「実物」ではなく「写真」です。オンラインギャラリーでも、SNSでも、ECサイトの商品ページでも、まず目に入るのは画像。つまり写真は、作品の代わりに喋ってくれる人のようなものだと言えます。

写真の質は、想像以上に大切

光の入り方、背景、影の落ち方、色の再現度。ほんの少しの違いで、作品の印象は大きく変わってしまいます。ある研究では、ウェブページを見た人の第一印象は、わずか0.05秒ほどで決まるとも言われています。作品の実力とは関係のないところで、写真の見づらさや暗さだけで、興味を持ってもらう前に離れられてしまっているとしたら、それはとてももったいないことです。

プロのカメラマンに頼む必要はいつもあるわけではありません。ただ、次のような点は、意外と見落とされがちです。

  • 自然光の入る時間帯・場所で撮っているか
  • 背景がごちゃついて作品の邪魔をしていないか
  • 実物の色味と、写真の色味がずれていないか
  • 全体像だけでなく、質感がわかる部分アップもあるか
  • 額に入れた状態・飾った状態の写真もあるか(サイズ感が伝わりやすくなります)

ここで大切にしたいのは、「実物より映える工夫」ではなく「実物に近づける工夫」です。加工で華やかに見せることよりも、その作品が持つ本来の質感や色を、できるだけそのまま届けること。見る人が実際に手にしたときに「写真で見たとおりだ」と感じてもらえることのほうが、長い目で見ると信頼につながります。

どこに置くかで、出会う人が変わる

同じ作品でも、掲載する場所によって、出会う人はまったく違ってきます。にぎやかなハンドメイド系のプラットフォームに向いている作品もあれば、落ち着いた雰囲気のギャラリーサイトのほうがしっくりくる作品もあります。

「掲載する場所を増やせば増やすほどいい」というわけでもありません。作品の空気感と、その場に集まる人たちの空気感が合っているかどうか。ここを一度、見直してみる価値はあります。迷ったときは、自分の作品を「誰かの部屋のどんな場所に飾ってほしいか」を思い浮かべてみると、掲載先のイメージも自然と絞られていきます。

想いや背景は、言葉にしてはじめて伝わる

そしてもうひとつ、見落とされがちなのが「作品の背景や想い」です。どんな景色を見て生まれた作品なのか、制作中にどんな時間を過ごしていたのか、なぜこの色を選んだのか。作り手にとっては当たり前すぎて、あえて語らないことも多いのですが、見る人にとっては、それこそが作品を「自分ごと」として感じるきっかけになります。

絵は黙って語りかけてくれるものですが、その声を受け取るための手がかりが、あるとないとでは大きく違います。一枚のキャプション、数行の制作メモ。それだけで、作品との距離がぐっと縮まることがあります。

見直したいこと② 届け方

次に見直したいのは「届け方」です。どれだけ丁寧に見せ方を整えても、それを見てくれる人がいなければ、届くはずのものも届きません。

誰に、どこで見てもらっていますか

ふだん発信しているSNSやホームページに、どんな人が訪れているか、想像したことはあるでしょうか。同業の作家さんばかりが見てくれている、ということは実はよくあります。それはそれで励みになりますし、悪いことではありません。ただ、もし「作品を求めている、これから出会うお客さま」に届けたいのであれば、その人たちが普段どこで時間を過ごしているかを、少し意識してみる必要があります。

SNSとHP、ちゃんと「つながって」いますか

SNSで作品を見て「いいな」と思ってくれた人が、次にどこへ行けばいいのか、迷わない導線になっているでしょうか。プロフィール欄にホームページのリンクがあるか、投稿から作品ページまでスムーズにたどり着けるか。ここが途切れていると、せっかく芽生えた興味が、そのまま流れて消えてしまいます。

意外と見落とされがちなのが、コメントやDMへの反応です。「素敵ですね」というコメントに、スタンプひとつだけで終わらせてしまってはいないでしょうか。そこから「ありがとうございます、この作品は〇〇をイメージして描きました」と一言添えるだけで、その人との距離はぐっと縮まります。フォロワーの数を増やすことよりも、目の前の一人との会話を大切にすることのほうが、実は次の出会いにつながっていたりします。

そしてもうひとつ、正直に向き合いたいのが「待ち」の姿勢になっていないか、ということです。投稿すれば誰かが見つけてくれる、展示すれば誰かが声をかけてくれる。もちろんそういう出会いもありますが、それだけに頼ってしまうと、なかなか広がっていきません。

待っているだけでは、出会いは生まれにくいものです。誰に届けたいのか、どんな暮らしの中に作品を置いてほしいのかを思い浮かべながら、こちらから小さく手を伸ばしてみる。それは「売り込み」というより、「こんにちは」と挨拶をするようなことに近いのかもしれません。

見直したいこと③ 伝え方・価格の伝え方

3つめは、値段の伝え方です。ここに苦手意識を持っている作家さんは、とても多いように感じます。

値段だけが、一人歩きしていないか

作品のページに、金額の数字だけがぽつんと書かれている。それだけだと、見る人はその数字が高いのか、妥当なのか、判断する材料を持てません。値段には、理由があります。その理由を伝えないままだと、金額だけが一人歩きしてしまい、本来届くはずだった価値までもが伝わりにくくなってしまいます。

価格の根拠を、言葉にしてみる

制作にどれくらいの時間をかけたか、どんな画材を使っているか、どんな想いを込めて仕上げたか。値段そのものではなく、値段の「根拠」を説明できると、見る人は安心して選ぶことができます。これは値引きの話でも、値段を上げる話でもありません。すでにある価値を、きちんと言葉にして手渡す、ということです。

価格の根拠として言葉にできる要素は、実はいくつもあります。整理してみると、こんなイメージです。

伝える要素具体的な内容の例
制作時間下地づくりから仕上げまで、どれくらいの日数をかけたか
画材・技法使っている画材のこだわり、技法の特徴
着想・背景どんな景色や出来事から生まれた作品か
一点ものであること同じ表情の作品は二つとないこと

すべてを毎回書く必要はありません。作品によって、伝えたい要素をひとつかふたつ選んでみるだけでも、印象は大きく変わります。たとえば、こんな一言を添えるだけでも印象は変わります。

この作品は、〇〇の季節に感じた光をもとに、〇日間かけて描きました。一点ものですので、同じ表情のものは二つとありません。

数字の説明ではなく、物語としての説明。ここに、作家ならではの伝え方があります。値段を下げて選んでもらうことより、値段の理由に納得して選んでもらうことを、大切にしてみてください。

マーケティングは「売り込み」より、「想いを届ける手助け」☺️

ここまで3つのことをお話ししてきましたが、根っこにあるのはひとつの考え方です。それは、マーケティングは、想いを届ける手助けだということです。

「マーケティング」と聞くと、どうしても「売り込む」「押しつける」というイメージが先に立ってしまいがちです。けれど、本来の意味はもっとやわらかいものです。すでにそこにある作品の価値や物語を、必要としている人のところまで、迷わず届けるための工夫。それだけのことなのです。

見せ方も、届け方も、伝え方も、「売るための小手先のテクニック」ではありません。作品に込めた想いを、ちゃんと相手に受け取ってもらうための、ひとつひとつの橋渡しです。橋がなければ、どれだけ豊かな景色が向こう岸にあっても、渡ってきてはもらえません。

見直しチェックリスト

ここまでお話ししてきたことを、あらためて一覧にしてみました。ぜんぶ一度にやろうとせず、気になったところから、ひとつずつ手をつけてみてください。

  • 作品写真は、明るい自然光のもとで撮っているか
  • 写真は実物の色や質感に近いか、飾ったときのサイズ感が伝わるか
  • 掲載している場所の雰囲気と、作品の空気感は合っているか
  • 作品の背景や想いを、短くてもいいので言葉にしているか
  • SNSからホームページや作品ページまで、迷わずたどり着けるか
  • コメントやDMに、一言でも自分の言葉で返せているか
  • 値段の根拠(制作時間・画材・着想など)を説明できているか

チェックがつかない項目があっても、落ち込む必要はまったくありません。ここに気づけたこと自体が、次への一歩です。

まとめ:今日からできる、小さな一歩

「売れない」と感じたとき、つい作品そのものや、自分の力不足に原因を探してしまいがちです。けれど、今日お話ししたように、見直せるポイントは他にもたくさんあります。

すべてを一気に変える必要はありません。まずは、今出している作品写真を一枚、明るい窓辺で撮り直してみる。プロフィール欄にホームページのリンクを貼ってみる。次の投稿に、作品を作ったときの気持ちを一行だけ添えてみる。そんな小さな一歩からで、じゅうぶんです。

結果はすぐに数字となって表れるとは限りません。それでも、見せ方・届け方・伝え方をひとつずつ整えていくことは、遠回りのようで、実は一番たしかな近道です。「自分には向いていない」と決めつけてしまう前に、できることから少しずつ試してみてほしいと思います。

作品には、ちゃんと力があります。あとは、それが必要としている人のもとまで、少しずつ橋を架けていくだけです。つくる、つながる、わたしらしくいきる。その道のりを、焦らず一緒に歩んでいきましょう🕊

poppy questでは、見せ方や届け方に悩む作家さんのお話を、一緒に整理するところからお手伝いしています。「何から手をつけていいかわからない」という段階でも大丈夫です。お気軽にご相談ください。

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