落ち葉とドングリ、松ぼっくりで秋の工作をする子どもの手元、窓辺の柔らかい光

二学期のはじまり、家でできる造形あそび|秋の室内アイデア

落ち葉とドングリ、松ぼっくりで秋の工作をする子どもの手元、窓辺の柔らかい光

夏休みが明けて二学期が始まると、生活のリズムが戻るまでに少し時間がかかります。朝はねむそう、帰ってくると「ひま」と言うのに外は暑さが残っていたり、急に雨が降ったり。そんな日の夕方に、家の中でできる小さな造形あそびがいくつか手元にあると、親も助かります。この記事では、秋の身近な材料でできて、用意するものが少なく、片付けも楽なアイデアを中心に紹介します。

以前に「雨の日の室内造形」をまとめましたが、今回はその秋・二学期版です。落ち葉、どんぐり、木の実、松ぼっくり、そして家にある段ボールや紙袋。特別な画材を買い足さなくても、散歩の途中で拾ったものと、家にある紙やのりで十分に遊べます。材料を「拾う」ところから、もう造形あそびは始まっています。

はじめに、秋の自然物を使うときのちょっとした下ごしらえについて触れておきます。保育の現場向けの情報サイトでも、拾ってきたどんぐりや木の実は虫が出ることがあるため、下処理をしてから使うことがすすめられています(ほいくis「秋におすすめ!自然遊び・どんぐりや落ち葉の製作アイデア」)。

具体的には、拾ったどんぐりを鍋で数分ゆでるか、ジッパー付きの袋に入れて数日冷凍すると、中にいる虫の卵の対策になります。そのあと新聞紙の上でしっかり乾かします。落ち葉は、重い本にはさんで数日おくと平らになり、貼り絵に使いやすくなります。ここまでを子どもと一緒にやると、「使えるようにする」手間そのものが体験になります。

落ち葉は乾かすと色が抜けやすいので、遊ぶ予定に合わせて拾うのがおすすめです。色を長く楽しみたいときは、透明のテープではさんでしおりのようにすると、しばらくきれいなまま残せます。窓に貼って光を通すと、部屋の中に秋の色が広がります。

アイデア1|落ち葉と木の実の「顔コレクション」

画用紙、または不要な厚紙を用意します。手順はシンプルです。まず、台紙にのりで落ち葉を一枚貼ります。次に、その落ち葉を「顔の輪郭」に見立てて、どんぐりを目に、松ぼっくりのかけらや小枝を鼻や口に置いていきます。位置が決まったら木工用ボンドで留めます。最後に、余った葉っぱを髪の毛のように足すと完成です。

ポイントは、パーツを貼る前に「どこに置くか」をいろいろ動かして試す時間をとることです。目を離すと変な顔になる、近づけると笑って見える。そうやって置き方ひとつで表情が変わることに気づくのが、この遊びのいちばん面白いところです。兄弟や家族の顔に見立てて何枚か並べると、それだけで小さな展覧会になります。

アイデア2|どんぐりと空き箱の「ころころ迷路」

お菓子の空き箱のふたや、浅い段ボールのトレーを一つ用意します。中に、細く切った厚紙をのりやテープで立てて貼り、壁をつくって道をつくります。あとは、どんぐりを一粒転がして、箱を傾けながらスタートからゴールまで運ぶだけ。壁の位置を変えれば難しさを調整できます。

これは工作と遊びが地続きになっているのが良いところです。「ここで止まっちゃう」「壁をもう一本足そう」と、遊びながら直していく。うまくいかない部分を自分で見つけて手を入れる、という流れが自然に生まれます。装飾として、道の脇に小さな絵を描いたり、落ち葉を貼ったりしてもかまいません。

アイデア3|紙袋で作る「秋のかばん/お面」

使い終わった紙袋を一つ。持ち手がついたままなら、そこに腕を通して「かばん」に、袋の底の面を顔にして目の穴を開ければ「お面」になります。表面に、乾かした落ち葉やどんぐりを貼ったり、クレヨンで模様を描いたりします。紙袋はほどよく丈夫なので、多少ぐしゃぐしゃにしても破れにくく、低学年でも扱いやすい素材です。

お面にする場合は、目の位置を先に鉛筆で印をつけてから、大人がカッターで開けると安全です。できあがったお面をかぶって鏡の前に立つと、それだけでひとしきり盛り上がります。「これは秋の森の主」といった設定を子どもが勝手に語りだしたら、その物語ごと楽しんでください。

材料と片付けのめやす

この記事で紹介したあそびで使うものを、まとめておきます。多くは家にあるか、散歩で手に入るものです。

  • 台紙になるもの(画用紙、使い終わったカレンダーの裏、菓子箱の厚紙など)
  • のり、木工用ボンド、セロハンテープ
  • はさみ(必要に応じて、大人が使うカッター)
  • 秋の自然物(落ち葉、どんぐり、松ぼっくり、小枝、木の実)
  • 空き箱、紙袋、下に敷く新聞紙やレジャーシート
  • クレヨンや色えんぴつ(模様を描き足したいとき)

片付けを楽にするコツは、始める前に新聞紙やレジャーシートを広げておくことと、自然物を種類ごとに小さな空き容器へ分けておくことです。終わったら容器ごとしまえるので、片付けが「拾い集める作業」になりません。ボンドを使った作品は、平らなところで一晩おいてから飾ると安心です。

もうひとつ、始めるタイミングの話です。宿題や翌日の支度が終わっていない時間に始めると、途中で中断することになり、子どもも中途半端な気持ちになります。やることを済ませてから、区切りのよい時間に始めると、集中して最後まで楽しめます。十五分で終わる小さいものと、日をまたいで作る大きいもの、両方あると使い分けられます。

「上手」を目指さなくていい理由

秋の造形あそびで、きれいな作品を完成させることは目的ではありません。拾う、選ぶ、並べてみる、貼る、名前をつける。この一連の流れそのものが、子どもの中で何かを動かしています。同じどんぐりでも、丸いのと細いの、帽子つきとそうでないの。違いに気づいて選ぶことは、立派な観察であり判断です。

大人はつい「もっとこうしたら」と手を出したくなりますが、まずは子どもの並べ方を最後まで見てみてください。バランスが悪く見えても、本人の中では意味があることが多いです。「どうしてここに置いたの?」と聞くと、思いがけない答えが返ってきます。その答えを面白がることが、次の意欲につながります。

材料を切らしたときの代わりも覚えておくと便利です。どんぐりがなければボタンやペットボトルのふた、松ぼっくりがなければ丸めた新聞紙。大事なのは特定の素材ではなく、「かたち」や「手ざわり」の違いを扱うことです。代用を子どもと相談して決めるのも、ちょっとした発想の練習になります。

造形クラブでは

poppy questの造形クラブでも、季節の自然物はよく登場します。教室は東京・三軒茶屋のギャラリーで、毎週日曜の午前十時から十一時半、年長から小学生まで各回六名の少人数制です。はじめの三十分は「今日は何をつくろうか」と話す時間にあてていて、拾ってきた葉っぱや木の実を前に、どう使いたいかを一緒に考えます。

講師は武蔵野美術大学の油絵学科を出た現役の油絵作家です。つくっている途中で「思っていたのと違う」となっても、それを失敗とは呼びません。予想と違う形になったところから、その子だけの工夫が始まると考えているからです。上手い下手で評価せず、「正解より自分の答え」を大切にしています。

家で気軽にやる造形あそびと、教室でじっくり取り組む時間は、どちらも役割が違って、両方あっていいものです。家では散らかしながら自由に、教室では六十分集中して一つのことに向き合う。二学期のリズムづくりの一部として、週末に手を動かす時間があると、平日の切り替えがしやすくなる子もいます。

よくある質問

「どんぐりや落ち葉はいつ拾えばいい?」という質問をよくいただきます。地域差はありますが、多くの地域で秋の彼岸を過ぎたころから見つけやすくなります。公園や街路樹の下を歩くときに、袋をひとつ持っておくと習慣になります。拾ったその日に下処理をして乾かしておくと、遊びたいときにすぐ使えます(ほいくる「どんぐり遊び大全集」も参考になります)。

「不器用でのりもうまく使えないのですが」という声もあります。低学年のうちは、のりの量や乾く時間の感覚がまだつかめていないだけのことが多いです。少量を指先で塗る、しばらく手で押さえる、といったコツは、何回か作るうちに自然と身につきます。仕上がりのきれいさより、最後まで作りきった経験を大事にしてください。

「作ったものが増えて置き場所に困る」という現実的な悩みもあります。全部を残す必要はありません。写真に撮ってから手放す、気に入ったものだけ一定期間飾る、と決めておくと、子どもも「選ぶ」練習になります。飾る場所があること自体が、次に作る意欲につながります。

もう少し秋の材料であそぶなら

材料集めは、二学期の登下校のついでにできます。通学路の途中で気になる葉っぱを一枚拾って帰る。それを毎日続けると、一週間で小さなコレクションになります。子ども自身が「今日はこれを見つけた」と話してくれるようになると、季節の移り変わりに自分から目が向くようになります。拾うことは、観察の入り口です。

三つのアイデアに慣れてきたら、同じ材料でできることはまだたくさんあります。松ぼっくりは、先のすき間に小さく切った色紙や毛糸をはさむだけで飾りになります。どんぐりは、油性ペンで顔を描いて並べれば「どんぐり家族」に、木工用ボンドでつなげれば首かざりになります。特別な設計図はいりません。手元にあるものを見て、「これは何に見えるかな」と考えるところから始めます。

落ち葉は、色や形で仲間分けをする遊びにも使えます。赤いグループ、黄色いグループ、まだ緑が残っているグループ。大きい葉と小さい葉、ぎざぎざの葉とつるんとした葉。並べて分けるだけでも、子どもはよく観察しています。分け終わったら、そのまま台紙に貼って「葉っぱ図鑑」にすると、記録として残ります。

段ボールは、秋の工作でいちばん活躍する素材かもしれません。平らな板として使えば貼り絵の頑丈な土台になり、箱のまま使えば窓を開けて「小さなおうち」に、細長く切って組めば立体の枠組みになります。カッターを使う部分は大人が引き受け、子どもは「どこをどう切るか」を指さしで伝える、という分担にすると、低学年でも大きなものが作れます。

自然物を使うときは、拾ってよい場所かどうかも、子どもと一度話しておくとよいテーマです。公園や街路樹の落ち葉やどんぐりは基本的に拾って大丈夫ですが、植え込みの中に入る、枝を折る、実をたくさん取りすぎる、といったことは避ける。「落ちているものをすこし借りる」という感覚を共有しておくと、気持ちよくあそべます。

片付けまでを、あそびの一部にする

造形あそびが「また今度」になってしまう一番の理由は、片付けの大変さです。逆にいえば、片付けが軽ければ、気軽に何度でもできます。新聞紙を広い範囲に敷いておく、道具は一か所にまとめておく、自然物は種類ごとに空き容器へ入れておく。この三つを準備の段階でやっておくだけで、終わりがぐっと楽になります。

片付けそのものも、子どもにやってもらってかまいません。「使ったのりのふたを閉める」「はさみを決まった場所に戻す」「ごみと、まだ使えるものを分ける」。小さな仕事ですが、道具を大事にする感覚は、こういうところで身につきます。全部を完璧にやらせる必要はなく、ひとつかふたつ、担当を決めるくらいでちょうどいいです。

できあがった作品は、しばらく飾る場所を決めておくと、子どもの満足感が続きます。玄関、冷蔵庫の扉、部屋のすみの小さな棚。どこでもかまいません。飾ってあるものを家族が話題にすると「見てもらえた」という実感になり、次に作るときの意欲につながります。入れ替えのタイミングで写真に撮っておけば、置き場所に困ることもありません。

教室では、一人の子が使った変わった素材の使い方を、まわりの子が見て「自分もやってみたい」と広がっていくことがよくあります。少人数だからこそ、たがいの手元がよく見えます。家では思いつかなかった組み合わせに出会えるのも、何人かで同じ時間を過ごす良さのひとつです。

秋の造形あそびは、天気やその日の気分に合わせて規模を変えられるのも利点です。時間も気力もある日は段ボールで大きなものを、疲れている日は落ち葉を一枚貼るだけ、と幅を持たせておくと、「やらなきゃ」というプレッシャーになりません。毎回きちんとやろうとすると続かないので、五分で終わる小さなあそびをいくつか覚えておくくらいが、ちょうどいい距離感です。

きょうだいで一緒にやるときは、同じ材料を分けて、それぞれ好きに作るのがおすすめです。「同じものを作ろう」とすると、どうしても比べ合いになります。同じどんぐりと落ち葉から、上の子は迷路を、下の子は顔を作る。ちがうものができあがるのが当たり前、という空気にしておくと、それぞれが自分の手を動かすことに集中できます。

作ったものについて、あとから「これ何?」と聞くときは、批評ではなく興味として聞いてください。「ここはどうなってるの?」「この子は何をしているところ?」。答えているうちに、子どもは自分の作ったものを言葉で整理します。その説明が、次に何を作りたいかのヒントにもなります。

まとめ ☺️

二学期のはじまりは、生活のリズムが整うまで少しだけ不安定になりがちです。そんな時期こそ、家の中でできる小さな造形あそびが、気分を切り替えるきっかけになります。秋は材料が足元に落ちている季節です。特別な準備をしなくても、拾って、選んで、並べて、貼る。それだけで十分に豊かな時間になります。

poppy questでは、家庭でのあそびから一歩進んで、じっくり手を動かす時間を持ちたいというお子さんを、少人数でお迎えしています。秋の造形あそびの延長で通ってみたい、というご相談も含めて、お気軽にご相談ください。

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